天台寺門宗総本山園城寺おんじょうじ(三井寺みいでら)の別称、またその門流を指す。比叡山延暦寺の山門に対して言う。貞観五年(八六三)に円珍が園城寺で宗叡らに伝法阿闍梨位灌頂を授けたことが知られるが、円珍による園城寺再興の実態は不明な点が多い。円珍の没後、寺門派の余慶が法性寺や天台座主に任ぜられたことにより、山門派の排斥運動が起こる。その後、両門派の対立は激化し、円珍派は下山して園城寺に拠り、両門派の分裂をみた。
【参照項目】➡山門派・寺門派
【執筆者:舩田淳一】