勝如
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうにょ/勝如
天応元年(七八一)—貞観八年(八六六)八月一五日。証如ともいう。摂津国島下郡勝尾寺(大阪府箕面市)の住僧。六道衆生のため無言の行を修めていた勝如のもとに沙弥教信が出現、年来から極楽往生のため弥陀の念仏を称えていたことにより自身が今日往生できたこと、あわせて勝如の往生の確約を告げる。勝如も弥陀の念仏を称え、教信が確約した日に極楽往生を遂げたという。四国配流となった法然は、勅免され入京を願ったが許されず、勝如の念仏往生の地である摂津の勝尾寺にとどまり、勝如を慕ったという(『四十八巻伝』三六)。また父母ともに衰老や病患でもなく出家したことは、最上の善根であったと称賛される(『往生拾因』)。教信勝如の結縁念仏往生譚として流布した。
【所収】『今昔物語』一五—二六、『日本往生極楽記』二二、『後拾遺往生伝』上一六(共に続浄一七)、『私聚百因縁集』八—二(仏全一四八)、『諸寺縁起集』証如事
【執筆者:魚尾孝久】