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最期の一念によって善悪の生を引く

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さいごのいちねんによってぜんあくのしょうをひく/最期の一念によって善悪の生を引く

最期臨終の一念のいかんによって善悪の後生が左右するという考え方を示すことわざ。「最期」は「最後」とも書く。「臨終の一念は生を引く」といっても同じで、人が死ぬ臨終のそのとき、死に際の一念によって来世によく生まれるか、悪く生まれるかが決まっていくという意味である。「最期の一念によって三界に生を引く」ともいい、欲界色界無色界三界のいずれに生まれ変わるかが決まるという。これらはいずれも、死に際の一念が悪ければ後生もまた悪く生まれるという意味合いを含んでいる。ところが「一念によって生を引く」となると、死に臨んでの最期の一念によって、望み通りに、願い通りに生まれ変わるようにという意志が込められ、一念はよい意味で使われている。


【執筆者:勝崎裕彦】