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別時念仏講私記

提供: 新纂浄土宗大辞典

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べつじねんぶつこうしき/別時念仏講私記

一巻。隆寛撰。貞応三年(一二二四)述。別時念仏に対する考察をまとめたもの。昭和三九年(一九六四)に櫛田良洪によって東寺菩提院三密蔵の『秘抄口決』の紙背しはいより発見され、復元された書である。本書は三段に分かれて説かれている。内容は、第一段は別時念仏の徳について説かれ、第二段は順次往生、第三段は回向発願であり、回向を三つの意味から捉えている。本書の撰述は法然滅から一二年後にあたり、法然亡き後の専修念仏教団で行われた別時念仏のありようがわかる。同時に『知恩講私記』も発見されており、唱導家としての隆寛の側面を伝える資料である。


【所収】櫛田良洪「史料紹介 別時念仏講私式」(『日本仏教史学』一三、一九七八)


【参考】伊藤茂樹「隆寛の別時念仏講について」(『仏教論叢』四九、二〇〇五)


【参照項目】➡別時念仏隆寛知恩講私記


【執筆者:伊藤茂樹】