ぶっかい/仏戒
仏の定めた戒のこと。特に『梵網経』における十重四十八軽戒を指す。仏性戒・仏乗戒・金剛宝戒ともいう。『梵網経』に「一切衆生みな仏性あり。一切意識色心これ情これ心みな仏性戒中に入る」(正蔵二四・一〇〇三下)、また「一切心ある者みな仏戒を摂すべし。衆生仏戒を受くれば即ち諸仏の位に入る。位大覚に同うし已れば、真に是れ諸仏のみ子なり」(同一〇〇四上)と説かれる。梵網戒は盧遮那仏が妙海王子のために説いたもので、衆生本具の仏性を体とし、この戒法を受持すればただちに仏果に至ることができるので、仏戒という。
【参照項目】➡十重四十八軽戒
【執筆者:加藤芳樹】