きょうまんふしょうぼうかい/憍慢不請法戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうち第二二戒のことで、新たに入門した求道者(菩薩)について、経律や最高の智慧について先学に問い尋ねて受けないならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。新たな求道者には、いまだ大乗の教えを習得せず戒律についての理解も浅いのに、それまでの俗世の知恵や身分・年齢・家柄・財産などに驕ってしまい、一切の経律をことごとく解している先学の法師を軽んじることがあるという。この戒はそうした場合の驕り・慢心を制するものである。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】