つうず・べつず/通途・別途
仏教全般に共通する説を通途(または常途、通仏教)の教義といい、特定の教理、宗派に限定した説を別途の教義という。別途の教義はその宗の独特な説であるから、強調して重んじられる。仏典上では例えば、三法印等の如く一般仏教に共通な教義を通途といい、凡夫が報土へ往生するという凡入報土などを浄土教別途の説であるとする。『鎮西宗要本末口伝鈔』本に「名号は万機普益なるが故に返て甚深なり、此れ別途の意趣を以て独り随自の法とす。随順仏教と意と願と等しく正証なり、此れを別途の意趣と云う」(浄全一〇・三三一上)とある。
【資料】『往生要集』
【執筆者:薊法明】