鳴鐘偈
提供: 新纂浄土宗大辞典
めいしょうげ/鳴鐘偈
喚鐘を打つときに唱える偈文。「願諸賢聖 同入道場 願諸悪趣 俱時離苦」。『四分律行事鈔資持記』(正蔵四〇・一八七上)による。勤行・法要・講説などの入堂の直前に、撞木で虚揩一下してから「鳴鐘偈」を唱え、法鼓と同様に三通三下する。一通は約四〇下とし、最初は大きくゆっくり打ち、徐々に速く打っていき、最後は小さく刻んでいくように打つ。これを三回繰り返して(三通)、ゆっくりと中小大と三回打つ(三下)。そして「袈裟被着偈」を唱えてから入堂する。本堂の荘厳と導師等の出座準備が整ったときに、殿司等が三宝を念じて、道場に十方仏土の諸賢聖衆の来臨を請い、同時に悪趣に苦しむものがその苦しみから離れることができるようにと願って唱える。
【参照項目】➡法鼓文
【執筆者:西城宗隆】