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道光上人尋状

提供: 新纂浄土宗大辞典

どうこうしょうにんたずねじょう/道光上人尋状

一巻。末尾の詠歌に付される記述に、元亨二年(一三二二)とあるので、それ以降の成立と推測される。道光のものとされる文献。構成は三部からなり、第一部は極楽の新生の凡夫についての議論、第二部は明真宛の消息、第三部は詠歌である。その内容は、まず第一部では、関東や京都の末学の人々は、極楽往生した新生の凡夫の心は有漏うろで、肉体は無漏むろであると主張するが、それは誤りで、心と肉体ともに有漏であるという。その証拠として、良忠の『往生論註記』二の記述をあげている。次に第二部は、道光が第一部の文を明真に送った旨が示されている。また、法然真筆の書の写しも送った旨が記されている。第三部は、道光が作った詠歌で、『黒谷上人語灯録』を元亨二年に知恩院に施入した時に詠じたことが示されている。


【所収】続浄一〇


【執筆者:角野玄樹】