さいじょうぼう/西成房
一二~三世紀頃、生没年不明。京都祇陀林寺の住僧。『西方指南抄』中本「聖人御事アマタ人々夢ニミタテマツリケル事」には、法然が摂津の勝尾寺に居た建暦元年(一二一一)頃、西成房は夢に「祇陀林寺の東の山にあたりて、金色の光をさしたりける」(『定本親鸞聖人全集』五・一五三)を見て法然の往生が近いことを知ったとある。数ある法然伝記の中で西成房の名を見ることができるのは、この『西方指南抄』のみである。
【参考】赤松俊秀他編『増補親鸞聖人真蹟集成』五(法蔵館、二〇〇五)
【執筆者:南宏信】