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芝苑遺編

提供: 新纂浄土宗大辞典

しおんいへん/芝苑遺編

三巻。『芝園遺編』とも書く。宋・元照がんじょう作、道詢集。元照の遺作を集めた書。「芝苑」は元照が住した杭州西湖東岸の霊芝寺(崇福寺)にちなんだ名称。上巻には「余杭郡沙門元照」と記すが、中巻と下巻には「六世法孫道詢集」とあるので元照滅後に編集されたと考えられる。上巻に三篇、中巻に五篇、下巻に五篇の戒律関係の短編を収載するが、「受大乗菩薩戒義」(中巻)や「為高麗僧統義天開講要義」(下巻)には浄土教説も見え、元照戒律浄土教の双修・融合説の資料である。寛文九年(一六六九)の刊本がある。


【所収】続蔵五九


【参考】佐藤成順『宋代仏教の研究』(山喜房仏書林、二〇〇一)


【執筆者:佐藤成順】