無財の七施
提供: 新纂浄土宗大辞典
むざいのしちせ/無財の七施
布施行の一種で仏教徒が心がけねばならない態度。『雑宝蔵経』六の「七種施因縁」に「是れ七施と名づく。財物を損せずと雖も大果報を獲る」(正蔵四・四七九中)と説かれており、財物がなくても他者に布施をなすことのできる七つの行い。①眼施。相手を憎むことなく、好ましい眼差しで接すること。②和顔悦色施。和やかな喜びの顔つきで接すること。③言辞施。相手に柔らかい思いやりのある言葉をかけてやること。④身施。相手を敬い、我が身を惜しむことなく、他に尽くしていくこと。⑤心施。善い心で相手の立場にたち心をかけていくこと。⑥床座施。相手に座席を設けたり、譲ったりすること。⑦房舎施。自分の家を一夜の宿として提供すること。
【執筆者:井野周隆】