一巻。袾宏撰。禅宗と浄土宗が同帰することを説いた書。なぜ浄土という事相に執着して禅という理性を明らかにしないのか、という問いに対して、臨済宗楊岐派・中峰明本の「禅とは浄土の禅、浄土とは禅の浄土」という禅浄一致説を受けて、禅浄同帰説を説いている。慧日、延寿ら以来の禅浄双修の思想をさらに展開した書である。
【所収】正蔵四七、続蔵六一
【執筆者:曽和義宏】