水や湯を浴びて、身体を洗浄するときに唱える偈文。身体的汚れと内面的汚れを除く二重の意味をもつ。「南無仏水なむぶっすい 南無法水なむほうすい 南無僧水なむそうすい 南無観世音菩薩なむかんぜおんぼさつ 南無大勢至菩薩なむだいせいしぼさつ 清浄大海衆しょうじょうだいかいしゅう 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」(『法要集』上二六九/『浄土苾蒭びっしゅ宝庫』下・一一オ)。水湯を三宝に喩え、これにより心身が清浄になることを祈念して、この偈文を唱えながら浴する。これが転じて死者のためにも行うようになり、儀式となったのが、湯灌ゆかんである。
【参照項目】➡湯灌
【執筆者:陣川隆行】