二巻。『銘心抄』と略される。聖冏撰。五重相伝第四重の要書である良忠『疑問抄』の注釈書。三巻七書の一つ。書名は『疑問抄』の精神を心に刻み伝えていくことを意味し、『疑問抄』の要文を取り上げ解釈する。奥書に聖冏が記しているように、この解釈は良暁や定慧の口伝に基づく白旗派の伝統的な解釈に基づくものであるとしている。
【所収】聖典五、浄全一〇、『伝灯輯要』中
【参考】深貝慈孝「『決答疑問銘心抄』解題」(聖典五)
【執筆者:東海林良昌】