往生記投機抄
提供: 新纂浄土宗大辞典
おうじょうきとうきしょう/往生記投機抄
一巻。『投機抄』と略すこともある。聖冏撰。明徳元年(一三九〇)成立。浄土宗の五重伝書の第一で法然撰と伝わる『往生記』の注釈書。聖冏が定めた伝書類七書の一つ。内容は『往生記』の中、特にはじめの「難遂往生機」一三人について、その往生しがたい理由を解説している。つまり初めの四人は至誠心、次の四人は深心、次の四人は回向発願心、最後の一人は三心が、それぞれ具わっていないためとする。また「種種念仏往生機」五種三〇人につき、第五の愚鈍念仏往生の人一六類二〇人を宗の本意、単信の大信とし、さらにこのうち初めの三人をとくに単信の大信とする。
【所収】聖典五、浄全九
【執筆者:粂原勇慈】