大本山
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいほんざん/大本山
総本山に次ぐ寺格の寺で、所属の寺院を総括する寺院のこと。『浄土宗宗綱』第二章「総本山及び大本山」では、総本山を知恩院とし、その他に七つの大本山をおいている。すなわち東京芝増上寺・京都金戒光明寺・同知恩寺・同清浄華院・福岡久留米善導寺・神奈川鎌倉光明寺・長野善光寺大本願である。増上寺は室町時代に創建され、江戸時代には徳川家の菩提寺で関東十八檀林の筆頭であった。金戒光明寺・知恩寺はともに法然の遺跡として有名。清浄華院は室町時代以降に宮中と密接な関係にあった寺院である。善導寺は二祖聖光の開創にかかり、光明寺は三祖良忠によって開創され、中世末期には関東総本山の地位にあった。善光寺は古代以来一般大衆の信仰を集めている寺院である。
【執筆者:𠮷水成正】