乗台
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうだい/乗台
一
仏・菩薩などの来迎を得て往生する際、観音菩薩の捧げ持つ蓮台に乗ること。『観経』の上品上生には、阿弥陀仏はじめ観音勢至や諸菩薩の来迎を目の当たりにした行者が「歓喜踊躍し、自らその身を見れば、金剛台に乗じて仏後に随従す。弾指の頃のごときにかの国に往生す」(聖典一・三〇六/浄全一・四七)とある。また『往生礼讃』は、上輩について「畢命に台に乗じて六塵を出ず」(浄全四・三七三上)と詠ずる。
【執筆者:袖山榮輝】
二
生没年不明。法然が夢で見た半金色の善導を描いた絵師。『四十八巻伝』七のいわゆる「二祖対面」の場面に、「雲の中より一人の僧出でて、上人の所に来り住す。その様、腰より下は金色にして、腰より上は、墨染なり」(聖典六・七八)とあり、法然は画工乗台に命じて夢中の善導、すなわち「半金色の善導」を描かせた。のちに中国より善導像が渡来したが、それとまったく違いがなかったという。
【参照項目】➡半金色
【執筆者:福田行慈】