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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0137A01: 卽心念佛彈妄錄
Z14_0137A02:
Z14_0137A03: 去りし秋。談義本の辨僞を著したれば。見る人此返答
Z14_0137A04: は。なるまじきこと共なりと。いひあへるに。今歲仲
Z14_0137A05: 春。或問といへる書出たり。此は或人に辨僞を問せ
Z14_0137A06: て。幻幻菴主の答へられたるものなり。其答への趣
Z14_0137A07: き。果して正直に返答することはならず。さすが默默
Z14_0137A08: 然たるも。いと念なく念はるゝか。自ら恥を省みず。
Z14_0137A09: 人の笑ひをも避くることなく。忽ち立義を改張し。妄
Z14_0137A10: りに前言を飜轉し。罵辱麤言にて。重重紛らかし。盡
Z14_0137A11: くこれ誑他の說なれば。四明尊者。山外の答義を述
Z14_0137A12: て。縱事改張。終當理。始末全書於妄語。披尋備
Z14_0137A13: 於諂心。毀人且容。壞法寧忍との玉へるに。恰か
Z14_0137A14: も當れり。已に理路窮ると見えて。改張顯然として。
Z14_0137A15: 墮負明白なれば。重て辨ずるには。及ばぬことなれど
Z14_0137A16: も。何とぞ辨ぜよと。再三勸る人もあり。初學の知る
Z14_0137A17: ことなく。惑亂せらるゝも。歎しければ。且く大綱の
Z14_0137B01: 文義を擧て。其妄言妄義を彈駁すと云ことしかり。于
Z14_0137B02: 時享保十四年巳酉九月下旬。
Z14_0137B03:
Z14_0137B04:
Z14_0137B05:   凡例
Z14_0137B06:  一玅宗鈔に。適時之巧。非我所一レ能等といへるは。談
Z14_0137B07:   義本の根本。綱格の文なるが。此は理の觀念を明し
Z14_0137B08:   て。口稱の念佛を示す文には非ず。又四明尊者も。
Z14_0137B09:   理觀の一道を專らとせず。事相本願の念佛を。普く
Z14_0137B10:   萬人に勸め玉ひ。なを天台。慈雲。慧心。眞盛等の宗
Z14_0137B11:   師も。なる程事の念佛を。弘通し玉ふと云義。又絕
Z14_0137B12:   待に照す。卽心の玅觀は。覺えたり。思ふたりする
Z14_0137B13:   樣なものには非ずと云義さへ。明かに顯るれば。談
Z14_0137B14:   義本。幷に或問の。云云たる妄說は。自ら一時に破
Z14_0137B15:   廢し。辨僞の能破。よく成立するが故。今はたゞ此
Z14_0137B16:   根本の文義を辨ずるなり。
Z14_0137B17:  一菴主。從來人と議論せらるゝに。自義敗壞せんとす

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