浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0347A01: | 此歌。みづから深心の相を紅葉に比してよみ給へ |
Z08_0347A02: | り。例せば。菩提心におほくの譬說あるがごとし○ |
Z08_0347A03: | そむるとは。信樂のふかきをいふ。一朝一夕の信心 |
Z08_0347A04: | にあらず。年久しく本願に歸し。日を逐て染習する |
Z08_0347A05: | 義也。摠じて古歌に月花紅葉を貪するをも。心をそ |
Z08_0347A06: | むるとよみ。人を戀ふるをも。心をそむるとよめ |
Z08_0347A07: | り。 |
Z08_0347A08: | 玉葉集 西園寺入道前太政大臣 |
Z08_0347A09: | 中々によはひたけてそいろまさる |
Z08_0347A10: | 月と花とにそめしこ〻ろは |
Z08_0347A11: | 拾玉集 |
Z08_0347A12: | 龍田山かへる思ひそわすれぬる |
Z08_0347A13: | 紅葉の色に心そめつ〻 |
Z08_0347A14: | 頭風雅集。崇德院御製。年ふれとかへらぬ色は |
Z08_0347A15: | 春ことに。花にそめてし心なりけり。 |
Z08_0347A16: | 古今戀 貫之 |
Z08_0347A17: | 色もなき心を人にそめしより |
Z08_0347A18: | うつろはんとはおもほえなるに |
Z08_0347A19: | 又慈鎭和尙歌に |
Z08_0347A20: | 後の世にそむる心をよそにては |
Z08_0347B01: | あらぬ色にや思ひなすらん |
Z08_0347B02: | ○色に出はとは。內心の愛樂の色相にあらはる〻 |
Z08_0347B03: | 義也。戀の歌におほき詞なり。つ〻めとも色に出に |
Z08_0347B04: | けり我戀はとよめる類也。色そむる秋の梢。みな緣 |
Z08_0347B05: | 語なり。色とよめる古歌もおほし。 |
Z08_0347B06: | 頭佛書に顯色形色といふ事あり。此樣の色とい |
Z08_0347B07: | ふことば。表は顯色にて裏に形色をかねたり。 |
Z08_0347B08: | 千載集戀 輔仁親王 |
Z08_0347B09: | いかにせん思ひを人にそめなから |
Z08_0347B10: | 色にいてしとおもふこ〻ろを |
Z08_0347B11: | ○秋の梢とは。深心の分齊を千入の紅葉にたとへ |
Z08_0347B12: | てよみ給へり。この作例もあまた侍り。 |
Z08_0347B13: | 頭續後拾遺集。人しれす思ひそめてし紅の。色に |
Z08_0347B14: | 出ぬへくおもほゆる哉。 |
Z08_0347B15: | 拾玉集 |
Z08_0347B16: | 三世まてにたのむ思ひのあらはる〻 |
Z08_0347B17: | 心の色やあけの玉かき |
Z08_0347B18: | 君をいのるこ〻ろの色を人とは〻 |
Z08_0347B19: | た〻すの宮のあけの玉かき |
Z08_0347B20: | 新千載集 |