浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0698A01: | の處に出世し玉ふ事は只是れ本願に依れはなり |
J09_0698A02: | ○たつぬれはとは其本を押し尋ぬれはなり○因位無 |
J09_0698A03: | 諍念王とは是れ悲華經の説也委くは拾因第三因の下 |
J09_0698A04: | に引けり頭書上卅三丁○過度せしめんとは過は度也度は出 |
J09_0698A05: | 也大經上十九丁云過度生死靡不解脱○國をもくらひ |
J09_0698A06: | をもすててとは太子の貴き位をも捨て玉ふ也○穢土 |
J09_0698A07: | にしてとは釋迦は此の惡世に出て玉ひて衆生を引導 |
J09_0698A08: | し玉ふ此の故に發遣の敎主と云也爾れは所詮は淨土 |
J09_0698A09: | の三部經を説かんか爲めに出世し玉ふ也此れ大悲の |
J09_0698A10: | 本懷なることを扨因位に無諍念王と申せし時國を棄 |
J09_0698A11: | て位を捨て玉ふ是は大經に説く處と一同かと云ふ |
J09_0698A12: | とき穿鑿ある事なれとも阿彌陀如來も幾度か出世し |
J09_0698A13: | 玉ふなれは何れにてもあれ相違は不可有但し元祖 |
J09_0698A14: | は一同と思召す也漢語燈一之四丁望西二之四十二丁○曠劫よりこのかた |
J09_0698A15: | 等とは番番出世の佛也近くは迦葉如來也此の時も正 |
J09_0698A16: | 像末ありて又其後釋迦出世し玉ふ此の次は彌勒の出 |
J09_0698A17: | 世也○廿丁實敎權敎とは天台四敎義云權是暫用之名實 |
J09_0698B18: | 以永施爲義是則三敎暫赴物情故名爲權圓敎究 |
J09_0698B19: | 竟利物故名爲實と云へり爾れは同し大乘經の中に |
J09_0698B20: | ても法華涅槃等の五部の大乘經を實敎と云也權敎と |
J09_0698B21: | は方便の敎也○その益をうとは或は初果二果或は初 |
J09_0698B22: | 地八地或は頓に成佛する等也○五濁惡世にとなへて |
J09_0698B23: | とは總して須彌の構の南に天竺震旦日本あり其の中 |
J09_0698B24: | にて天竺の眞中に出世し玉ふ五濁即ち惡世也此の五 |
J09_0698B25: | 濁惡世の衆生は重苦の衆生なるか故に大悲の至極を |
J09_0698B26: | 以て此の世界に出世し玉ふ爾るに其中に上根の人は |
J09_0698B27: | 大乘の修行をなして得脱す又小乘を説き玉ふ時は小 |
J09_0698B28: | 乘の初果二果或は阿羅漢の果を得る人もあり又大小 |
J09_0698B29: | 乘の修行に堪へさる下劣の凡夫あり是れは面面如き |
J09_0698B30: | の衆生也爾るに佛在世には希には修行して悟を開く |
J09_0698B31: | 者もあり此れ正法の時なるか故にされとももはや像 |
J09_0698B32: | 法の時は敎行は有れとも証る人は無し末法には敎は |
J09_0698B33: | 有りて行証の二は無き也然るに今時は敎も無き道理 |
J09_0698B34: | 也其の由は敎の如く修する者無し故に今時は敎行証 |