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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0562A01: 如來のをしへに隨順せるかゆへ也。雜業のもののむ
J09_0562A02: まるる事のすくなきはなにのゆへそ。彌陀の本願に
J09_0562A03: たがへるがゆへ也。釋迦のをしへにしたがはさるが
J09_0562A04: ゆへ也。念佛して淨土をもとむるものは。二尊の御
J09_0562A05: こころにふかくかなへり。雜を修して淨土をもとむ
J09_0562A06: るものは。二佛の御意にそむけり。善導和尚二行の
J09_0562A07: 得失を判せる事はこれのみにあらす。觀經の疏と申
J09_0562A08: す文の中に。おほくの得失をあけたり。しげきかゆ
J09_0562A09: へにいださす。これをもてしりぬへし。をよそ此念佛
J09_0562A10: は。そしるものは地獄におちて多劫苦をうくる事き
J09_0562A11: はまりなし。信するものは淨土に生れて永劫樂をう
J09_0562A12: くる事きはまりなし。なをなをいよいよ信心をふか
J09_0562A13: くして。ふた心なく念佛せさせ給ふへし。くはしき事
J09_0562A14: は御文にはつくしかたく候。この御つかひ申候へし
J09_0562A15: 正月廿八日 源 空
J09_0562A16: 私云此御文は正治元年己未御使は蓮上房尊覺也。
J09_0562A17: 熊谷入道へつかはす御返事
J09_0562B18: 御文くはしくうけ給はり候ぬ。加樣にまめやかに大
J09_0562B19: 事におほしめし候らん。返かえすありかたく候。まこ
J09_0562B20: とにこのたびかまへて。往生しなむとおほしめしき
J09_0562B21: るへく候。うけがたき人身すでにうけたり。あひが
J09_0562B22: たき念佛往生の法門にあひたり。娑婆をいとふ心あ
J09_0562B23: り。極樂をねがふ心をこりたり。彌陀の本願ふかし。
J09_0562B24: 往生はたなこころにある也。ゆめゆめ御念佛をこた
J09_0562B25: らす。决定往生のよしを存せさせ給ふへく候。何事
J09_0562B26: もととめ候ぬ
J09_0562B27: 九月十六日 源 空
J09_0562B28:
J09_0562B29: 津戸三郞入道へつかはす御返事
J09_0562B30: 御文くはしくうけ給はり候ぬ。又たつねおほせられ
J09_0562B31: て候事とも。おほやうしるし申候
J09_0562B32: 一熊谷入道津戸の三郞は。無智のものなれはこそ。
J09_0562B33: 但念佛をはすすめたれ。有智の人には。かならすし
J09_0562B34: も念佛にはかぎるへからすと申よしきこえて候ら

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