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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0556A01: 人は十人ながらむまれ。百人は百人ながらむまる。
J09_0556A02: 何をもてのゆへに。外の雜縁なくして。正念をうる
J09_0556A03: かゆへに。彌陀の本願とあひ應ふかゆへに。釋迦の
J09_0556A04: をしへにたがはさるかゆへに。雜行のものは。百人か
J09_0556A05: 中に一二人むまれ。千人か中に四五人むまる。何を
J09_0556A06: もてのゆへに雜縁亂動して正念をうしなふがゆへ
J09_0556A07: に。彌陀の本願と相應せさるかゆへに。釋迦のをし
J09_0556A08: へと相違するがゆへに。諸佛の語にしたがはざるか
J09_0556A09: ゆへに。係念相續せざるかゆへに。憶念間斷するか
J09_0556A10: ゆへに。みづからも往生の業をさへ他の往生をもさ
J09_0556A11: ふるがゆへになと釋せられて候めれは。善導和尚を
J09_0556A12: ふかく信じて。淨土宗にいらん人は。一向に正行を
J09_0556A13: 修すへしと申す事にてこそ候へ。そのうへは善導の
J09_0556A14: をしへをそむきて餘行をくはへんと思はん人は。を
J09_0556A15: のをのならひたる樣ともこそ候らめ。それをよしあ
J09_0556A16: しとはいかか申候へき。善導のすすめ給へる行ども
J09_0556A17: ををきて。すすめ給はぬ行をすこしにてもくはふへ
J09_0556B18: き樣なしと申ことにてこそ候へ。すすめ給へる正行ば
J09_0556B19: かりだにもなを物うき身にて。いまたすすめ給はぬ
J09_0556B20: 雜行を加へんことは。まことしからぬかたも候ぞかし。
J09_0556B21: 又つみをつくる人だにも念佛して往生す。まして善
J09_0556B22: なれは法花經なとをよまんは。何かくるしからんな
J09_0556B23: と申候らんこそ。無下にきたなくおほし候へ。往生を
J09_0556B24: たすけばこそいみじくも候はめ。さまたげにならぬ
J09_0556B25: ばかりを。いみじきこととてくはへをこなはんこと
J09_0556B26: は。なにかは詮にて候へき。されは惡をは佛の心に
J09_0556B27: つくれとやすすめさせ給ふ。かまへてとどめよとこ
J09_0556B28: そいましめ給へとも。凡夫のならひ當時のまよひに
J09_0556B29: ひかれて。惡をつくるは力をよはぬ事にてこそ候へ
J09_0556B30: まことに惡をつくる人の樣に。しかるへくて經もよ
J09_0556B31: 見たく。餘行もくはへたからんことはちからをよは
J09_0556B32: す。但法花經なとをよまんことを。一言葉なりとも
J09_0556B33: 惡をつくらんことにいひならべて。それもくるしか
J09_0556B34: らねは。まして是はなと申すらんことこそ不便の事

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