浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0554A01: | にこそとおぼしめす事ゆめゆめ候まじき也。一定往 |
| J09_0554A02: | 生すへしと思ひとらぬ心を。やがて深心かけて往生 |
| J09_0554A03: | せぬ心とは申候へば。いよいよ一定の往生とこそお |
| J09_0554A04: | ぼしめすへき事にて候へ。まめやかに往生の心ざし |
| J09_0554A05: | ありて。彌陀の本願をうたがはすして念佛を申さん |
| J09_0554A06: | 人は。臨終のわろき事は大方は候ましき也。そのゆへ |
| J09_0554A07: | は。佛の來迎し給ふ事は。もとより行者の臨終正念 |
| J09_0554A08: | のためにて候也。それを意えぬ人は。みなわが臨終 |
| J09_0554A09: | 正念にて念佛申たらむ時に佛はむかへ給ふへき也と |
| J09_0554A10: | のみ意えて候は。佛の願をも信ぜす。經の文をも意え |
| J09_0554A11: | ぬ人にて候也。そのゆへは。稱讃淨土經にいはく。佛 |
| J09_0554A12: | 慈悲をもて加へ祐けて。心をしてみだらしめ給はず |
| J09_0554A13: | ととかれて候へは。ただの時によくよく申をきたる |
| J09_0554A14: | 念佛によりて。臨終にかならす佛は來迎し給ふへし。 |
| J09_0554A15: | 佛の來迎し給ふを見たてまつりて。行者正念に住す |
| J09_0554A16: | と申す義にて候也。しかるに。さきの念佛をむなし |
| J09_0554A17: | く思ひなして。よしなく臨終正念をのみいのる人な |
| J09_0554B18: | との候は。ゆゆしき僻胤にいりたる事にて候也。さ |
| J09_0554B19: | れはほとけの本願を信ぜん人は。かねて臨終をうた |
| J09_0554B20: | がふ心あるべからすとこそおほえ候へ。たた當時申 |
| J09_0554B21: | さん念佛をは。いよいよ至心に申へきにて候。いつ |
| J09_0554B22: | かは佛の本願にも。臨終の時念佛申たらむ人をのみ |
| J09_0554B23: | 迎へんとはたて給ひて候。臨終の念佛にて往生すと |
| J09_0554B24: | 申事は。日比往生をもねがはす。念佛をも申さすし |
| J09_0554B25: | て。ひとへにつみをのみつくりたる惡人の。すでに |
| J09_0554B26: | 死なんとする時に。はしめて善知識のすすめにあひ |
| J09_0554B27: | て。念佛して往生すとこそ。觀經にもとかれて候へ。 |
| J09_0554B28: | もとよりの行者は。臨終の沙汰をは。あながちにす |
| J09_0554B29: | べき樣は候はぬ也。佛の來迎一定ならは。臨終の正 |
| J09_0554B30: | 念も亦一定とおほしめすへき也。此大意をもて。よ |
| J09_0554B31: | くよく御心をととめて。意えさせ給ふへく候。又罪 |
| J09_0554B32: | をつくりたる人たにも。念佛して往生す。まして法 |
| J09_0554B33: | 花經なとうちよみて。念佛申さんは。何かはくるし |
| J09_0554B34: | かるへきと人人の申候らん事は。京邊にもさやう |