ウィンドウを閉じる

J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0479A01: る事をえたり。しかるにわれら罪業をもしといへと
J09_0479A02: も五逆をはつくらす。行業をろそかなりといへとも
J09_0479A03: 一聲十聲にすぎたり。臨終よりさきに彌陀の誓願を
J09_0479A04: 聞得て。隨分に信心をいたす。されは下品まてはく
J09_0479A05: だるべからず。中品は小乘の持戒の行者。及世間の
J09_0479A06: 孝養父母仁義禮智信等の行人なり。この品には中
J09_0479A07: なかにむまれかたし。小乘の行人にもあらず。また
J09_0479A08: たもちたる戒もなけれはわれらか分にあらず。上品
J09_0479A09: は大乘の凡夫。菩提心等の行なり。菩提心は諸宗を
J09_0479A10: のをの其意へ同じからず。淨土宗の意は。淨土にむ
J09_0479A11: まれんとねかふを菩提心といふ。又念佛はすなはち
J09_0479A12: これ大乘の行なり。無上功德なり。しかれば上品往
J09_0479A13: 生は手をひくべからず。又本願に乃至十念とたて給
J09_0479A14: ひて。臨終現前の願に大衆に圍繞せられてその人の
J09_0479A15: まへに現せんとたて給へり。中品は聲聞衆の來迎。
J09_0479A16: 下品は化佛の三尊。あるひは金蓮花等の來迎なり。
J09_0479A17: しかるを大衆に圍繞せられて現せんとたて給へる本
J09_0479B18: 願の意趣は。上品の來迎をまうけ給へり。なんぞあ
J09_0479B19: なかちにあひすまはんや。又善導和尚。三萬已上は
J09_0479B20: 上品上生の業との給へり。數遍によて上品にむまる
J09_0479B21: へし。又三心につゐて九品あるへし。信心によて上
J09_0479B22: 品にむまるへしと見えたり。上品をねかふ事は。わ
J09_0479B23: か身のためにはあらず。かのくににむまれをはり
J09_0479B24: て。かへりてとく衆生を化せんかためなり。これあ
J09_0479B25: にほとけの御意にかなはさらんや。次に阿彌陀經
J09_0479B26: は。まつ極樂の依正の功德をとく。これ衆生の願樂
J09_0479B27: の心をすすめんかためなりのちに往生の行をあかす
J09_0479B28: に。少善根をもては。むまるる事をうべからず。阿
J09_0479B29: 彌陀佛の名號を執持して一日七日すれは。往生する
J09_0479B30: 事をうとあかせり。衆生これを信せさらん事ををそ
J09_0479B31: れて。六方にをのをの恒河沙の諸佛ましまして。大
J09_0479B32: 千に舌相をのへて證誠し給へり。善導釋していは
J09_0479B33: く。この證によてむまるる事をえすは。六方如來のの
J09_0479B34: へ給へる舌。ひとたひ口よりいてをわりて。ながくく

ウィンドウを閉じる