浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0082A01: | は且く異ありといへども・所證は皆一理也・觀經に・ |
J09_0082A02: | 善解義趣於第一義・第一義ト者眞如ノ理也心不驚動と説給ふ、 |
J09_0082A03: | 此の第一義と云を・善導大師解大乘空義と釋し給 |
J09_0082A04: | ふ・大品に空者大乘の初門なりと説けり大論同之此の |
J09_0082A05: | 位を密宗には漸入阿字門と談ず・台宗に所立の玅 |
J09_0082A06: | 解玅行よりは卑しき位也といへり・所證の一理なる |
J09_0082A07: | 事を判ぜば・台敎には初地初住別ノ初地圓ノ初住證道同圓と釋 |
J09_0082A08: | し密宗には・顯宗の圓人・登初住皆入眞言門と |
J09_0082A09: | 談ず・又淨家にて判ぜば・觀經の上上品に・即悟無 |
J09_0082A10: | 生法忍と説給ふ・此の忍の位を・古德別敎の初地圓 |
J09_0082A11: | 敎の初住也と釋せり・龍女が成佛・韋提の大悟・龍樹 |
J09_0082A12: | の得果・皆圓の初住也・敎觀を修する人に各上中下 |
J09_0082A13: | の三根あり・佛法の中に於て・殊に機を簡はざるは・ |
J09_0082A14: | 念佛の一行なるべし・若し上根の人念佛を修せは・ |
J09_0082A15: | 三昧を發得すべし・中下の機の人とても・業事成辨 |
J09_0082A16: | は・望まじき事にも非ず・萬機臨終成は・佛願成就 |
J09_0082A17: | の上は疑なき事也・和漢の僧傳を見るに・聖道を捨 |
J09_0082B18: | て・淨土門に入れる人あり・又自宗を弘むる傍に・念 |
J09_0082B19: | 佛を勸めし師もあり・此に在て心を起し行を立て成 |
J09_0082B20: | 佛せんと求むるは・自力なれば根機拙き人は成じが |
J09_0082B21: | たし・之に依て佛の他力を賴み・臨命終の時阿彌陀 |
J09_0082B22: | 佛迎接して・往生を得せしめ給ふ事を願ふべしと・多 |
J09_0082B23: | 分の機に約しては・佛祖共に勸め給ふ也・聖道門の |
J09_0082B24: | 意は行者の自行猛利なる時・他佛加被を垂給ふ・故 |
J09_0082B25: | に自力は強く・他力は弱し・淨土門の意は・三心を發 |
J09_0082B26: | し・名號を唱ふといへども造惡も止まず・妄念も息ま |
J09_0082B27: | ざれば自力は至つて弱し・然るに佛願の力強うして・ |
J09_0082B28: | 罪業にも碍えられず・妄念にも染ぜられず・名號を唱 |
J09_0082B29: | れば往生を得・本願名號の力は強く・行者の自心の |
J09_0082B30: | 功力は弱き也・向阿の云・淨土門の心は止むべき思 |
J09_0082B31: | ひはあれども・縁にあひ境に向ひて力及ばず犯す |
J09_0082B32: | といへども・意樂を破らざれば正見の人にて往生を |
J09_0082B33: | 遂くべき也・上人の曰・不止貪愛瞋憎雖似好造 |
J09_0082B34: | 惡只是本性之所致也・依馮本願・今更非許作 |