浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0403A01: | 意を能く知り。見識あるより務むるにあらざれば。 |
Z14_0403A02: | 尊ぶに足らず。尤も事の念佛不レ足レ尊と云ふことに |
Z14_0403A03: | てはなきなりと云へるは。淨土宗は皆愚癡の尼入 |
Z14_0403A04: | 道の如しと誹れることにや。 |
Z14_0403A05: | 答。爾なり。此師旁觀記より以來。淨土宗を抑下さん |
Z14_0403A06: | と思ふ意より。巧に出されたる妄談なり。淨士宗に習 |
Z14_0403A07: | ひ來り仕來たることは。兩尊の敎敕。諸祖の垂示を習 |
Z14_0403A08: | ひ來り仕來たるなり。これを不レ足レ尊と云ふは。卽念 |
Z14_0403A09: | 佛を不レ足レ尊と云へるなり。卑しき諺にさすりてつめ |
Z14_0403A10: | たると云ふに同じく。不都合なる云ひ分なり。淨土宗 |
Z14_0403A11: | の意は。釋尊世に出興して。大小權實の法を說き玉へ |
Z14_0403A12: | るは。一切衆生をして生死を出離せしめんが爲の故 |
Z14_0403A13: | なりと知り。上根利智の人は。各自乘を修して生死を |
Z14_0403A14: | 出離せり。其敎益に漏れたる衆生の爲に。淨土の法な |
Z14_0403A15: | りと信じて。一向に阿彌陀佛の悲願を賴み。念佛申せ |
Z14_0403A16: | ば決定して往生するぞと思ひ極めたるが。淨土宗の |
Z14_0403A17: | 安心決定なり。一代敎の意を能く明めねばならぬと。 |
Z14_0403B01: | 見識だてする人の無生の氣味あひの大樣は。合點ゆ |
Z14_0403B02: | くものなりなどゝ云ふぶらつきたる安心よりは。一 |
Z14_0403B03: | 分の智解情量をふり捨てゝ。愚癡の尼入道に同して。 |
Z14_0403B04: | きつと出離生死に眼をつけて。脇目もみぬは。還て決 |
Z14_0403B05: | 斷疑網の大見識と云つべし。亦是如來一代の敎意を |
Z14_0403B06: | も能く知りたるになるなり。假令八萬の法藏を學び |
Z14_0403B07: | 得たりとも。出離生死に眼つかずば。他の寳を數ふる |
Z14_0403B08: | なり。調達は六萬の法藏を誦得し。善星は十二部經を |
Z14_0403B09: | 誦得したれども。造逆墮獄の人に非ずや。槃特は一偈 |
Z14_0403B10: | をだにも誦し得ざりしかとも。證悟は速なりき。是佛 |
Z14_0403B11: | 世の明據にあらずや。 |
Z14_0403B12: | 問。或問に佛敎の大意を能々知りたるにてなけれ |
Z14_0403B13: | ば。決定せぬと云ふを疑るゝは。不合點なり。能々 |
Z14_0403B14: | と雖も。已に敎の大意のすがたを談義本に出して。 |
Z14_0403B15: | 乃至さのみ深妙なることにてはなきに非ずや。さ |
Z14_0403B16: | て又敎の大意を能々知ると云ふは。初て念佛に趣 |
Z14_0403B17: | く人を云ふなり。因て簡別して淨土宗の人の念佛 |