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高野の真別所

提供: 新纂浄土宗大辞典

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こうやのしんべっしょ/高野の真別所

俊乗房重源高野山・蓮花谷南方の山中に開いた別所で、いわゆる重源別所の一つ。専修往生院とも号する。真別処とも表記する。名称については、鎌倉時代以前に念仏聖らの集落を指す別所の一つとして新別所と呼ばれていたが、後代、別所という語に付随する卑賤な印象を一掃する目的で真別所の字が当てられた、とする解釈がある(司馬遼太郎「高野山みち」『街道をゆく』九、朝日文庫、一九七九)。中国の廬山慧遠ろざんえおんによる白蓮社源信二十五三昧会先蹤せんしょうを踏む念仏結社。二十四蓮友社の拠点となり、往生講迎講むかえこうと共に法然の影響を受けた専修念仏が営まれた。その実態は『発心集』一三「斎所権介成清の子、高野に住む事」に窺うことができる。現在は円通律寺と称し、真言宗修行道場となっている。


【参考】小林剛『俊乗房重源の研究』(有隣堂、一九七一)、井上光貞『新訂日本浄土教成立史の研究』(山川出版社、一九七五)、五来重『増補 高野聖』(角川書店、一九七五)、中尾尭『中世の勧進聖と舎利信仰』(吉川弘文館、二〇〇一)


【参照項目】➡七箇所不断念仏重源別所


【執筆者:冨樫進】