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阿修羅

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あしゅら/阿修羅

ⓈⓅasuraの音写語で阿蘇羅、阿須羅、阿素洛ともいう。古代ペルシャ語のahuraと同じ語源をもち、本来、善神を意味していたが、後に神(Ⓢsura)に否定辞aがついた神に非ざるものと考えられ、神々と戦う悪神としてヴェーダ聖典や叙事詩などにあらわれる。例えば阿修羅に属するⓈRāhu(羅呵、羅睺)は海を攪拌かくはんして神々の不死の酒を飲もうとするが、ヴィシュヌに頭を切り落とされる。すでに酒を得た頭のみ不死となり、暴露した太陽と月に怨みを抱き、周期的に吞み込んで日食と月食を起こすとされる。仏教では、阿修羅を争いやまぬ存在として捉え、輪廻六道を説く場合には人間界の次に阿修羅世界が加えられる。また、仏法を守護する八種の神々(八部衆)や、千手観音眷属(二十八部衆)のなかに守護神として加えられ、奈良興福寺八部衆阿修羅像(国宝)や京都三十三間堂の二十八部衆阿修羅像(国宝)にその姿を見ることができる。


【参照項目】➡六道


【執筆者:吹田隆道】