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瑜伽

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ゆが/瑜伽

Ⓢyogaの音写語。相応とも訳される。「結ぶ」すなわち任意の対象との結合を原意として、準拠、専注などを意味する。古代インドではブラフマンへの到達を図るための精神統御を意味したといわれる。このような心の静謐せいひつの修養をラージャヨーガ、古典ヨーガといい、現在世界に流行するのはハタヨーガという後代派生した行法の一つである。仏教では唯識を奉ずる人々が瑜伽行派瑜伽師(Ⓢyogācāra)と呼ばれた。この場合の瑜伽とは正教正理との相応、つまり修行の正しいあり方というほどの意味である。『瑜伽師地論』二八(正蔵三〇・四三八上)では信・欲・精進方便瑜伽であるとされ、正行の要件一切を含む。また円測えんじき解深密経疏げじんみっきょうしょ』六では一切乗の境・行・果・教すべてが広義の瑜伽に収まり、狭義には止観であるという。密教では自らと本尊との即是が瑜伽であるとされ、三密瑜伽などの用語がある。


【参考】中村元『ヨーガとサーンキヤの思想』(『中村元選集』二四、春秋社、一九九六)、大正大学綜合仏教研究所声聞地研究会『瑜伽論声聞地第二瑜伽処』(山喜房仏書林、二〇〇七)


【参照項目】➡止観唯識


【執筆者:小澤憲雄】