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獄卒

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごくそつ/獄卒

罪人を捕え置く監獄(獄舎)の番人、下級の役人、看守のこと。司直、邏卒らそつともいう。仏教では、地獄に堕ちた亡者を苛責する鬼のこと。すなわち地獄の鬼卒のことをいう。ⓈⓅnaraka-pālaⓈⓅniraya-pālaⓈⓅbandhana-pālaka。様々な形相をし、種々の道具や業火をもって罪人を責め苦しめさいなむという恐ろしい存在である。アビダルマ(論書)時代になると獄卒有情生命いのちあるもの)か非情(生命いのちなきもの)かということが大いに問題となる。それは有情ならば罪人とともに業火に焼かれ、非情ならば罪人を責められなくなるとの矛盾にもとづく。『俱舎論』一一では「罪人を地獄に投げ入れる鬼は有情であり、地獄の中にあって罪人を責める鬼は有情でなく、罪人の業力によって作り出されたものである」(正蔵二九・五八下、趣意)とする。


【資料】『俱舎論』一一、『大智度論』一六、『観仏三昧海経』五、『正法念処経』一七、『往生要集』


【参照項目】➡地獄


【執筆者:牧達玄】