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大黒天

提供: 新纂浄土宗大辞典

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だいこくてん/大黒天

自在天(シヴァ神)の化身で、怒ると世界が暗黒になると恐れられたことからマハーカーラ(ⓈMahākāla大黒)、大黒天神、暗夜天とも、また音写で「摩訶迦羅まかから」とも呼ばれる。軍神、戦闘神であるとされるが、一方でものを再生させ福徳を与える神でもあるとされた。仏教に採り入れられ、仏教守護神として天部の中の一となった。密教では大日如来化身であると説かれる。『大日経疏』一〇に「毘盧遮那、降伏三世の法門をもって、彼(荼吉尼だきに)を除かんと欲するがゆえに、大黒神を化作す」(正蔵三九・六八七中~下)とある。


【参照項目】➡天部


【執筆者:田中典彦】


密教の伝来とともに日本に伝わった天部としての仏教守護神(大黒天)が、神道の神である大国主おおくにぬしと習合して、破壊と豊穣の神として信仰される。後に豊穣の面が強調され、毘沙門天弁才天とともに七福神の一となり、食物・財福を司る神として祀られることとなった。室町時代以降は大国主の民俗信仰と習合されて微笑の相が加えられ、江戸時代に、右手に小槌を執り、米俵を踏んで大袋を背負い、破顔微笑する現在の形像となった。


【参照項目】➡七福神大黒天


【執筆者:田中典彦】


大黒天二(「三面大黒天」兵庫・発音寺蔵)