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四奉請

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しぶじょう/四奉請

諸仏・諸菩薩を招き入れるための偈文。日常勤行式においては「香偈」「三宝礼」に続くものである。「奉請十方如来道場散華ほうぜいしほうじょらいじとうちょうさんからく 奉請釈迦如来道場散華ほうぜいせきゃじょらいじとうちょうさんからく 奉請弥陀如来道場散華ほうぜいびたじょらいじとうちょうさんからく 奉請観音勢至諸大菩薩道場散華ほうぜいかんにんせいししょたいほさじとうちょうさんからく」と読誦する。出典である法照五会法事讃』本(浄全六・六七四下)には「散華楽文」として収載されており、はじめに「散華楽」を二度繰り返してから、十方如来釈尊阿弥陀仏・観音勢至諸菩薩の順に勧請かんじょうする。天台宗では、円仁が『五会法事讃』を招来し、例時作法に「四奉請」が組み込まれた際に現在のような順になり、また、唐・長安や平安時代に主に用いられていた漢音読誦するようになった。法然が『阿弥陀経』を漢音でも読誦していたことは周知のことであり、また『四十八巻伝』に「皆例時とて毎日に必ず阿弥陀経を読み、一切の諸僧、阿弥陀経を読まずということ無し」(聖典六・三五二~三/昭法全四八七)との記載があるように、例時作法も広く普及していたことは想像に難くなく、浄土宗天台宗の影響を受けて十方如来から奉請し、漢音読誦するようになったと考えられる。浄土宗では散華あるいは中品礼をもって読誦し、「四奉請」の代わりに善導法事讃』を出典とする「三奉請」を読誦することもある。なお「四奉請」と「三奉請」の差異について、良忠法事讃私記』上(浄全四・四四下)では、「四奉請」は総から別に、「三奉請」は別から総にゆくと解釈している。


【参照項目】➡三奉請


【執筆者:石上壽應】