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元祖

提供: 新纂浄土宗大辞典

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がんそ/元祖

物事を始めた最初の人のことで、特に浄土宗では宗祖法然をさす。聖冏は『直牒じきてつ』三の中で「黒谷上人に至りて宗旨始めて興盛するなり。よって上人を以て元祖と仰ぐべきなり」(浄全七・四九六下~七上)と述べているが、まだ固有名詞とはなっていない。知恩院二二世珠琳じゅりんは長享三年(一四八九)に「元祖法然上人」と新知恩院蔵『選択集』の奥書に記し、法然のことを元祖と呼んでいる。元禄七年(一六九四)の知恩院『日鑑』には「元祖勤行」と記され、清浄華院では同九年正月から「これより余山の通りに元祖講企てたく発起四五人有り」(清浄華院蔵『日次帳』)と、他の本山のように元祖講が開始されたと記されている。このように元禄年間頃より法然のことを元祖と呼ぶことが浸透していったと考えられる。


【執筆者:伊藤真昭】