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仏足石

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ぶっそくせき/仏足石

仏の足跡を刻んだ石造物。法輪仏塔などと同様、仏像制作以前の礼拝対象であったとされる。その表現は種々存在するが、如来三十二相に示された足下二輪相そくげにりんそう長指相ちょうしそう足下安平立相そくげあんびょうりゅうそうなどがあらわされる。制作はインド・パキスタンから始まり、ガンダーラ・シクリ遺跡からは二世紀頃の作とされる仏足石が、マトゥラー・ナーガールジュナコンダ遺跡からは三世紀の制作となる仏足石がそれぞれ確認されている。日本国内の遺物としては、奈良県・薬師寺仏足石(国宝)や新潟県妙高市・関山神社、奈良県高市郡明日香村・岡寺などに所在するものが著名。


【参考】加藤諄「日本の仏足石」(石田茂作監修『新版仏教考古学講座 第四巻仏像』雄山閣、一九七六)、同『仏足石のために 日本見在仏足石要覧』(築地書館、一九八〇)、小泉恵英「仏足石(作品解説)」(東京国立博物館編『パキスタン・ガンダーラ彫刻展』図録、二〇〇二)、J. E. Dawson・台信祐爾「仏足石(作品解説)」(東京国立博物館編『インド・マトゥラー彫刻展』図録、二〇〇二)【図版】巻末付録


【参照項目】➡三十二相


【執筆者:藤田直信】