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三大

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんだい/三大

体大・相大・ゆう大の三つ。衆生の心の本体(体)とすがた(相)とはたらき(用)がそれぞれ大なることをいう。『起信論』立義分に「一には体大、一切法真如を謂う、平等にして増減せざるが故なり。二には相大、如来蔵を謂う、無量の性功徳具足するが故なり。三には用大、能く一切の世間出世間との善の因果を生ずるが故なり」(正蔵三二・五七五下)とあり、体大は一切法真如平等で不増減であること、相大は真如如来蔵)が無量功徳を持つこと、用大は真如の作用として世間出世間に善の因果を生じさせると説かれている。この三大説の成立については、『起信論』を中国撰述とみる立場から、地論宗三身論に淵源を求める説、あるいは『金剛仙論』の思想影響が指摘されている。また三大説は仏身論との関係も深く、一般的には法蔵『大乗起信論義記』(正蔵四四・二四七下)のように、『起信論解釈分の内容(正蔵三二・五七九上~下)を踏まえて、体大・相大に理智不二法身、用大に報身応身二身をあてる。他方、迦才浄土論』では法身浄土三大すべてを相当させ、体大を所住の仏土、相大・用大を能住の仏身とする説がみられる(浄全六・六二八下)。


【参考】望月信亨『講述大乗起信論』(冨山房、一九三八)、竹村牧男『大乗起信論読釈』(山喜房仏書林、一九八五)


【執筆者:工藤量導】