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「題目」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版

だいもく/題目

経論などの典籍の題号。経典の題目を受持し読誦することの功徳は、大乗経典にしばしば説かれている。題目は本文の要約を表していることが多く、本文と題目は広略の関係にあるといえる。そのため題目の受持や読誦は、その経典を受持し読誦することに等しいとされ、中国や日本で行われてきた。なかでも日本の日蓮宗題目を重視し、題目宗と呼ばれるほどである。日蓮釈尊が実践した修行とそれによって得られた徳が「妙法蓮華経」の五字に具足しているとして、それを受持することで仏の功徳をゆずり受けることができると説く。そして、その功徳をすべて受け取ることによって釈尊と同体になり、即身成仏ができるとする。この題目の受持は身口意の三業、すなわち『法華経』の教えを実践し(身業)、題目をひたすら唱え(口業)、『法華経』の教えを深く信じる(意業)ことによって実現される。『法華経法師品に説かれる受持・読・誦・解説・書写の中で受持を成仏のための正行とし他の四つを助行とした日蓮は、受持の中でも題目を唱える唱題をもっとも重視した。なお、日蓮宗では「妙法蓮華経」に「南無」を付けて「南無妙法蓮華経」をもって題目とする。また、日蓮の説いた題目には、成仏を助けるための現世利益的な効果があるとされる。


【執筆者:横田善教】