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提供: 新纂浄土宗大辞典

れい/霊

民族・文化・宗教ごとに異なり、概念規定は必ずしも一定せず、多種多様であるが、強いて定義づければ、形をもたない精気のことをいう。釈尊は霊の不滅を「無記」とし、説くことはしなかった。釈尊の死後、仏教輪廻の思想が取り入れられると、霊に関連してその主体が問われることになって、業の思想が輪廻転生説と深く関わるようになり業報輪廻説となった。大乗仏教の時代になると、無意識の識ともいえる阿頼耶あらや識や人間が仏となる可能性という意味での仏性をその主体とする説が現れた。中国を経由して仏教が日本に伝わると、在地の民俗信仰と習合して祖先崇拝と結び付き、祖先の霊を仏教が祀るようになっていった。


【参照項目】➡霊魂阿頼耶識仏性無記


【執筆者:藤井正雄】