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転法輪

提供: 新纂浄土宗大辞典

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てんぼうりん/転法輪

直訳すれば「法輪を転ずること(Ⓢdharma-cakra-pravartana)」であり、釈尊説法をこのように表現する。このなかcakraとは「古代インドの環状の武器(殺人の道具)」であるから、法輪は「仏の教えという武器」を意味し、その法輪を転じることは「六師外道に代表される世間の邪説や、人々の迷いを滅ぼす武器」として機能していると言えよう。釈尊が三五歳で悟りを開いてから八〇歳で入滅するまでの四五年間の説法がこれに当たるが、その端緒は、成道後、釈尊が五比丘びくに対して行った最初の説法であり、したがってこれを「初転法輪」という。またcakraは「車輪」をも意味するが、二五〇〇年前に誕生した仏教が、現在、アジアをはじめ世界各地に広まっているという現状を考えれば、まさに坂道を転がる輪の如く、その教えは時代と地域とを超えて転がり続けており、この意味でも「転法輪」とは言い得て妙な表現である。


【参照項目】➡法輪


【執筆者:平岡聡】