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誉号

提供: 新纂浄土宗大辞典

よごう/誉号

浄土宗で用いる法号の一つ。五祖定慧より始まる。『鎮西名目問答奮迅鈔』第一の註によれば(浄全一〇・四四四)、定慧と同門の恵光が、定慧が鎌倉光明寺三世に補せられたことを妬み、密かに白旗流を離れ、藤沢遊行寺に住して他阿弥陀仏を名乗り、その門下に全て阿弥陀仏号を称させた。定慧はこれと区別するため、『観経』に「もし念仏せん者は、まさに知るべし。この人は、これ人中の分陀利華ふんだりけなり」(聖典一・三一四/浄全一・五一)とあるのを、善導が『観経疏散善義でその意を敷衍し、「若し念仏する者は、すなわちこれ人中の好人、人中の妙好人、人中の上々人、人中の希有人、人中の最勝人」(聖典二・三二三/浄全二・七一上)という五種の嘉誉かよがあるというのによって、まず自ら良誉と称し、それより以後白旗一流の者には全てこの誉号を授けることとした。後世檀林制度の確立と共に、誉号五重相伝を受けた者だけに授与されることとされ、現今では結縁五重を受けた在俗信者にも授けられている。


【資料】懐誉『浄統略讃』、『吉水瀉瓶訣』四、『浄土苾蒭宝庫』下


【執筆者:金子寛哉】