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肉髻

提供: 新纂浄土宗大辞典

にっけい/肉髻

肉のもとどりの意。Ⓢuṣṇīṣa。烏瑟膩沙うしつにしゃと音写されるほか、仏頂とも訳される。仏などの頭頂における隆起部分。サンスクリット語においてはもともと「頭部にまくもの」「ターバン」といった意味があるが、仏像等においては、髪の毛ではなく頭がこぶのように盛り上がった形になっているので、もとどり、あるいはたぶさ、つまり髪の毛を頭上に集めて束ねた部分のように見られる。仏の三十二相のうちの一つで、肉髻相、頂髻相と呼ばれる。『観経』の第一〇観の観世音菩薩真実色身想には、「ただ頂上の肉髻とおよび無見頂相のみ世尊に及ばず」(聖典一・三〇二/浄全一・四五)とあり仏・菩薩の特徴として述べられている。


【参照項目】➡三十二相


【執筆者:薊法明】