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総相・別相

提供: 新纂浄土宗大辞典

そうそう・べっそう/総相・別相

個々それぞれの事物が共通に持つ普遍的な相(姿・形)と、個々それぞれの個性を持つ個別の相のこと。多くの経論で用いられる教説。『大智度論』三一に「一切法に二種の相有り。総相別相なり。是の二相、空なるが故に名づけて相空とす。問て曰く。何等をか是れ総相、何等をか是れ別相とするや。答て曰く。総相とは無常等の如し。別相とは諸法皆無常なりと雖も、而て各おの別相有り。地を堅相とし、火を熱相とするが如し」(正蔵二五・二九三上)とあるのが、端的に示された例である。聖光が『西宗要』で阿弥陀仏相好について「金色は総相三十二相別相なり」(浄全一〇・一九五下)といって諸仏共通の総相を金色の相とし、阿弥陀仏特有の相好である三十二相別相であるとしているのもその一例である。


【資料】『伝通記』(浄全二)


【執筆者:郡嶋昭示】