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「私聚百因縁集」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

しじゅひゃくいんねんしゅう/私聚百因縁集

現存版本は九巻に再編されているが、正嘉元年(一二五七)の跋文ばつぶんによればもと三巻。『百因縁集』ともいう。著者は住信。仏教説話集。全一四七話。巻一~四は天竺編、巻五・六が唐土編、巻七~九が和朝編。インド・中国・日本の三国の仏教出現から流布に至る仏教史を踏まえつつ、浄土教の流布展開に重きを置く。巻八第六話には「法然上人事」があり、鎌倉時代の法然伝展開において重要な意義を持つ。承応二年(一六五三)版本が唯一の伝本。仏全はそれを活字翻刻したものであるが誤脱があり、『古典文庫』または『古典資料』の影印を同時に参照しなければならない。


【所収】仏全一四八、『古典文庫』二六五・二六七・二七二、『古典資料』四・五、北海道説話文学研究会編『私聚百因縁集の研究本朝篇(上)』(和泉書院、一九九〇)


【執筆者:吉原浩人】