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礼拝

提供: 新纂浄土宗大辞典

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らいはい/礼拝

合掌して恭敬の意をもって仏・菩薩等を敬礼すること。種類については、『大唐西域記』二には、「敬を致すの式は其の儀九等あり。一に言を発して慰問し、二に首を府して敬を示し、三に手を挙げて高くゆうし、四に合掌して平拱し、五に膝を屈し、六に長跪し、七に手膝を地にし、八に五輪俱に屈し、九に五体を地に投ず。凡そ斯の九等は極めて唯一拝し、ひざまずきて而して徳を讃ず。之を敬を尽すと謂う。遠ければ則ち稽顙けいそう拝手し、近ければ則ち舐め踵を摩す」(正蔵五一・八七七下)と九種類の礼拝が示される。また『大智度論』一〇には「下中上の礼あり、下とは揖、中とは、上とは稽首けいしゅなり。頭面礼足は上供養なり」(正蔵二五・一三〇下)と、また『同』一〇〇には「礼に三種あり。一には口礼、二には膝を屈して頭地に至らず。三には頭地に至る。是れ上礼と為す。一の一身は頭を最上と為し、足を最下と為す。頭を以て足を礼するは恭敬の至なり」(正蔵二五・一五〇九上)と三種の礼拝が示されている。浄土宗では阿弥陀仏への帰依を示す礼拝を、上礼・中礼・下礼の三種に規定し、回数により一拝・三拝・九拝と称している。仏名会などの恭敬礼拝では、○〇礼という。このうち、身体を地に伏せ両手両足を地にのべ、頭を地につけて敬礼する五体投地接足作礼を最高の敬礼法とし、上品礼とする。その作法は、合掌のまま両足の指を爪立て、次に左膝をあげ(左䠒)おもむろに立ち、次に左足を引いて両足を揃え尊容を仰ぐ。その後(右手で袈裟をかかげ)おもむろに右膝、左膝の順に地につけ、次に両肘、額を地につけ、両掌を水平に仰向けて耳のあたりまであげ、接足作礼の意をする。上品礼は、三宝礼三唱礼三帰礼三身礼礼讃の本文等に用いられる。中品礼は、長跪礼を用いている。浄土宗通常法要では尊踞礼・䠒跪礼を用いない。作法は、合掌のまま腰をあげ、両足の指を爪立て、上体を少し前方に傾けて尊容を仰ぐ。その後、腰をおろし、両肘と額が地につかない程度に深く低頭し、両掌を仰向けて接足作礼の意とする。香偈奉請歎仏偈総願偈送仏偈礼讃後偈等に用いられる。上品礼中品礼が続く場合は、両足は爪立てたままで正座はしない。高座二畳台の上では、上品礼中品礼をしない。下品礼は、座立両礼に通じ合掌のまま尊容を仰いで低頭ていずする礼で、深揖じんゆう浅揖せんゆうの別がある。深揖は上体を深く屈する礼で、合掌を膝のあたりまでさげる。懺悔偈総回向偈送仏偈の後の十念に用いる。浅揖合掌のまま浅く低頭する礼で、偈頌・経文・別回向十念等に用いる。


【執筆者:廣本榮康】