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百箇日

提供: 新纂浄土宗大辞典

ひゃっかにち/百箇日

故人の命日から一〇〇日目のこと、またこの日に修する追善供養法要のこと。この法要のことを百箇日忌、百箇日法要ともいう。元来儒家の一〇〇日目の慣習であった卒哭忌そっこくき(出苦忌・誠光忌・百朝忌・歯若忌等の異名あり)が、仏教に取り入れられたものである。卒哭とは「くのをえる」ことで、故人を悼み大声で泣き叫ぶことを終えるという意味である。善導の『観念法門』四に「或は一日三日七日或は二七日五六七七日或は百日に至り」(浄全四・二二九上正蔵四七・一八中)とあり、一〇〇日目の区切りは中国において通例となっていたようである。聖聡の『当麻曼陀羅疏』にも百箇日忌についての記述がある(浄全一三・四六三下)。ちなみに十王信仰では、百箇日には平等王から査問を受けて、裁決されると説かれている。その十王にはそれぞれ本地仏が配されており、百箇日平等王の本地仏は観音菩薩となる。この観音菩薩は、十三仏信仰においても同じく百箇日の守護仏となる。また阿弥陀仏十二光仏の名を使って十三仏を表した場合、百箇日は歓喜光仏となる。


【参照項目】➡十王十三仏


【執筆者:伊藤正芳】