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法蔵菩薩

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ほうぞうぼさつ/法蔵菩薩

阿弥陀仏菩薩であったときの名前。ⓈDharmākaraⓉchos kyi ’byung gnas。曇摩迦どんまか曇摩迦留どんまかるなどと音写され、法処などとも訳される。また法蔵比丘びくとも呼ばれる。ⓈDharmākaraは、「法の根源」あるいは「法の堆積」といった意味である。吉蔵は『無量寿経義疏』において「能く仏法の蘊蓄在るが故に法蔵と曰う」(浄全五・六四下正蔵三七・一二〇下)といい、法蔵の語義を説明する。『無量寿経』には、ある国王が世自在王如来説法を聞き「無上正真の道意を発し、国を棄て王をてて、行じて沙門となる。づけて法蔵という」(聖典一・二二〇/浄全一・四)とある。法蔵はもと国王であり、出家して法蔵と名のり、後に成仏して阿弥陀仏となる。『無量寿経』上の前半は、この法蔵菩薩が起こした誓願、すなわち四十八願と、法蔵菩薩修行が主要なテーマである。なお阿弥陀仏本生ほんじょう説話には、法蔵説話以外の存在が指摘されている。


【資料】藤田宏達『原始浄土思想の研究』(岩波書店、一九七〇)


【参照項目】➡因位・果位阿弥陀仏法蔵発心


【執筆者:石田一裕】