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法常

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ほうじょう/法常

北斉・天統三年(五六七)─唐・貞観一九年(六四五)六月二六日。四種浄土説を提唱した摂論学派の僧。俗姓は張氏。南陽(河南省南陽市)白水の生まれ。隋・開皇五年(五八五)、曇延に師事して剃髪。同七年、曇遷の『摂大乗論』の講席に、師の曇延とともに参列。以来、『摂大乗論』に傾倒した。大業元年(六〇五)に長安禅定寺へ入り、その後、普光寺を創建。著作には『摂大乗論義疏』八巻、『摂大乗玄章』五巻、『観無量寿経疏』一巻などがあるが、いずれも現存しない。凝然『維摩経疏菴羅記』七によれば、法常の四種浄土説は至相寺智儼ちごん・南山道宣西明寺玄惲げんうんらによって踏襲された。


【資料】『続高僧伝』一五、凝然『維摩経疏菴羅記』七(仏全五)


【参考】望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九六四)、鎌田茂雄『中国仏教史』四(東京大学出版会、一九九〇)、佐藤心岳「唐代における『維摩経』の研究講説」(印仏研究一九—二、一九七一)


【執筆者:杉山裕俊】