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月輪寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

がつりんじ/月輪寺

京都市右京区嵯峨清滝月ノ輪町。鎌倉山。異称「つきのわでら」。天台宗法然上人二十五霊場第一八番。九条兼実の山荘で、法然が流罪に際し親鸞を伴い兼実に別れを告げに登山した遺跡と伝える。愛宕五山寺の一つで、天応元年(七八一)慶俊の開創。そのとき出土した鏡の刻銘「人天月輪」が寺名の由来。空也参籠し毎月一五日の念仏を始めた。当寺で法然は『選択集』を撰述し、末代に疑いがないように本尊阿弥陀仏に誓ったともいう。現在、祖師堂には法然親鸞・兼実の三師の像を安置。十一面千手観音・兼実・空也の像など七体が国重要文化財。


【資料】『空也誄』(『大日本史料』一—一四)、『愛宕山神道縁起』(簗瀬一雄『社寺縁起の研究』勉誠社、一九九八)、『鎌倉山月輪寺略縁起』(中野猛編『略縁起集成』六、勉誠社、二〇〇一)


【参考】『月輪寺の仏たち—愛宕山中の名宝—』(『佛教大学アジア宗教文化情報研究所研究資料集』一、佛教大学アジア宗教文化情報研究所、二〇〇七)【図版】巻末付録


【参照項目】➡九条兼実空也法然上人二十五霊場


【執筆者:山本博子】