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択滅

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ちゃくめつ/択滅

煩悩智慧によって滅すること。Ⓢpratisaṃkhyā-nirodha。択とは判断し認識すること。『俱舎論』では、「択は謂はく、簡択けんちゃくなり。即ち慧の差別なり。各別に四聖諦を簡択するが故なり。択力所得の滅を名けて択滅となす」(正蔵二九・一下)という。この慧(Ⓢprajñā)はあくまでも心の作用をいう。この智慧によって煩悩を断滅した境地つまり涅槃択滅とする。有部では一つ一つの煩悩を断つごとに、一つ一つの涅槃つまり択滅があるとする。五位七十五法五位百法では無為法の一つとして数え上げる。


【資料】『俱舎論』、『集異門論』一、『瑜伽論』三、『釈浄土群疑論探要記』九


【執筆者:西村実則】