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戒師

提供: 新纂浄土宗大辞典

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かいし/戒師

戒を伝える師のこと。また得度式結婚式導師のこと。法然は一八歳のとき、比叡山西塔黒谷で、叡空より円頓戒を伝授された。その後、求道生活の中で、戒定慧の器ではないという「三学非器」の自己認識を出発点とし、凡夫往生を目指した称名念仏の実践と教化に生涯にわたりつとめた。その生涯の中で、伝えられるところでは、法然戒師として、三帝三門院(後白河法皇後鳥羽上皇高倉天皇上西門院宜秋門院修明門院)、信者門弟等に授戒を行っている。法然から円頓戒を伝授された門弟には、源智信空湛空聖光証空感西聖覚などがある。法然滅後の円頓戒伝授は、聖光良忠良暁蓮勝鎮西流)、湛空—永空—清空—順空(二尊院流)、湛空恵尋—恵顗—興円黒谷流)、証空遊観—承空—康空(三鈷寺流)の系統に連なっていくことになる。現在浄土宗では、璽書道場成満の者がその任に当たることができる。


【参考】大野法道『戒学点描』(浄土宗、一九五九)


【執筆者:東海林良昌】